現パロ 土斎 新婚さん、甘々です。 ちょっと長し。




―お前といる時間は何よりも甘いんだ。


Sugar×Bitter


「おはようございます。歳さん。」
柔らかな笑みを浮かべながら言う俺の愛しい人。
「おう、おはよう、一。」
いつも強面と言われる俺も自然と顔が綻んでいった。
「珈琲と紅茶どちらにしますか?」
いつも決まって聞いてくる。
「じゃあ、珈琲で。」
一は、紅茶派。俺は珈琲派。
とっぷりと砂糖を入れて飲む―。
何もいれず、ただ珈琲本来の味や香りを楽しむ俺。
あまりにも対象的な光景にまた少し笑みがこぼれた。
―コポン。一はさっきから次々と砂糖瓶から砂糖を出している。
「一、お前それいれるの何個目だ?」少し恥ずかしそうに言う。
「八、八個目です。」頬を紅く染めながら言う一に見とれてしまう。
「甘いのが好きなのはいいが、入れすぎは体によくないぞ。」
そういうと一は今まさに入れようとしていた砂糖を小瓶の中へと戻す。
「・・・はい。」
根が素直なのか子供のように一切感情を隠すことなく、しょげたような仕草をする。
ふっと笑い、彼の手をとり砂糖をもう一つ入れる。
「あっ…。」ポトンと紅茶の中に砂糖が熔ける。
それをぐるぐるとかき回し、ひとすくいして、口に運ぶ。
「…甘い。」「あぁ!」と一に紅茶をとりあげられる。
「歳さんは甘いのがダメなんでしょう!だったらこんなもの…!」
一が奪い取った紅茶を奪い返す。
「俺は甘いのがだめとは一言も言った覚えがねぇんだがな。何かの間違いじゃないのか?」
「え、だって確かに総司が…」
「あぁ、あいつのことだ。嘘だよ、嘘。」
そう俺が言った途端顔が紅くなる。
「あぁ!総司の嘘が見抜けないなんて!ごめんなさい、歳さん!」
俺は一の紅茶を飲み干した。

「あぁ!」

余程飲みたかったのか、涙ぐませた目で此方をみやってくる。
―悪いことしちまったな。
一の期限を直すために俺は名案を思い付いた。
「なぁ、一。お互いをもっと知るためにまずは飲み物から互いを知ろう。」
我ながら名案。一は思考が乙女なのでそういうのが好きだ。
少し照れながらもコクンと頷く。
そして一は俺の珈琲を口にした。
「ゲホッゲホッ―」
予想通りだ。
こんだけの甘党が急にブラックを飲めるだろうか。
いや、飲めない。とっさながら、反語表現。あらためて古典の先生だなと思う。
「ごめんな、一。ほら砂糖だ。」と砂糖の瓶を一の元へ近づける。
しかし、その瓶を俺の元へと寄せてきた。
「飲み物から互いを知りましょうと言ったのは歳さんですよ。」
と言ってカップをぐっと傾けて口の中に流し込む。

うっ…。

「大丈夫か?」
こいつのことだからどうせやせ我慢でもしているのだろうけど。
「大丈…夫で…す。」全くもって大丈夫じゃないだろう。
いかにも苦いと言う顔をしながらカップから手を離す。
―本当に可愛いよなこいつは。
「よく飲めたな。じゃあ今日はご褒美として甘いもの、
ほらお前がこの間言ってたスイーツバイキングっていうやつ行くか。」
一は目を輝かせていた。
「はい!歳さん!」
そういって俺に抱きついてきた。


こいつと過ごす日々はいつだって甘いことを本人が気づく日は来るのだろうか。




土方さんは一君にスゴク甘いと思うのです。
一君がケーキをみていたらそのケーキを買ってあげたり・・・。
夜怖いからといったら、一君が寝付くまで起きてて頭なでてたり・・・。
彼はいろんな面で大人だと思うのですよ、皆さん。
この話続きます。
続き→スペシャルをあなたに。

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