甘め 土斎 お仕事副長×寂しがりやはじめちゃん。愛しい人と握り飯の続き。




―もっと甘えていたい。もっとあんたに愛してほしい。


秋桜に想い委ねて。


「はぁ〜、やっと終わったぜ。」

副長は丸くなった背中を伸ばすように大きくのびをした。

「ふぅ。」

と俺も持っていた筆を置いた。

やっと終わった。

「いつも、この量をお一人で?」

疲れているだろうから副長の肩を優しく揉みながら聞いた。

「まぁな。新選組の副長たるものこれぐらい出来なきゃな。かっこわりぃだろ。」

と言って優しく俺の頬に口付けをした。

一方俺はというと口付けされた場所から徐々に熱をもち始め、終いに俺の顔は真っ赤に染まりあがった。

顔を冷まそう、冷まそうとあたふたしていると、

「それより、斎藤。早く食って出掛けんぞ。

今日はお前の好きなとこに連れて行ってやるからよ。だから、今のうち考えとけよ。」

と片手には笹の葉に包まれた俺特製の握り飯。

そして片手は

「行くぞ。ほら、早くしろ。」

と言って差し出された愛しい副長の手。

「はい。ありがとうございます、副長。」

その手を優しく握り、俺達は中庭へと向かった。

中庭に行っては 俺達は廊下の縁側に腰掛けた。

俺はもっと近づきたくて副長の隣にぴったりと座り直した。

「何だ?斎藤。それじゃあ、近すぎやしねぇか?京は江戸じゃねぇんだから、暑いんだぞ。」

と副長が笑っていうと俺は副長にもたれ掛かるような姿勢になる。

「俺にとって副長の側に居ることができる時間なんてほんの僅かな時間しかありませんから。

だからもっとくっついていたい。もっと甘えていたい。もっとあんたに愛してほしい。」

「斎藤…。」

そう言った瞬間 口角をあげる副長の瞳には雄の獣が映った。

そして、その後やや乱暴に押し倒された。

「わりぃな…。今日の午後は何処にも行けそうにねぇわ。」

と苦笑を洩らす彼。

「では、俺をあなたが絶頂に連れていってください。」

というとまた苦笑を洩らした。

「お前、物好きだよな。

まぁ、いいや。じゃあ、今日はお前の望む絶頂とやらに連れていってやるよ。

本当にそれで、いいんだな?」

しっかりと紫紺の瞳を見つめ、こくんと頷く。

副長の瞳にはさっきより幾らか活き活きした雄の獣が住んでいた。

副長はゆっくりと俺の首布を取って

「好きだ…。斎藤。 愛してる。」

紫紺の瞳が俺の瞳を捉える。

紫紺の瞳は幾らか欲情に濡れていてひどく扇情的な様だった。

「俺もあんたの事を愛しています。

だから、抱いてください。

今日は1日あんたの好きにしていいから…。」

俺の言葉が終わると副長は首筋に唇を這わせた。

俺はその小さくも甘い刺激に体が身震いした。

副長はそんな俺の反応を楽しむかの如く強く吸っては紅い花を撒き散らしていく。 二人の呼吸が荒くなるに連れ、だんだん肌を晒していく、俺の漆黒の衣。

副長はそんな肌蹴た衣の中に手を這うように入れていった。

何故か副長の手が止まり、ふと見上げると・・・総司?

「あぁ、斎藤。つ、続きはさすがに中でやらねぇか?そ、そのなっ、なぁ?」

酷く慌てている様子だった。

総司は此方を見て口角を上げた。

「左之さぁ〜ん!大変だよー!一君が鬼副長に襲われてるよー!あっ、近藤さん!」

「そ、総司!この野郎!てめぇ!」

副長は顔を真っ赤にしながら怒っていたが

「あ、早く一君連れて行かないと大変なことになりますよ?ほら、左之さん来たし・・・。ね、鬼副長さん。」

「畜生、覚えてろよ!総司!おい、行くぞ斎藤!」

「はい!」服を調えながらひたすらあの人の背中を追って。

秋桜が咲くこの季節。

前を見れば、愛しい人がいて。

後ろを見れば、仲間がいる。

そんなことに嬉しくなって俺は愛しい人に追いつく為に更に走る速度を上げるのだった。





あとで知ったことだが、総司のやったことは決して嫌がらせではなくて

俺達をお祭りに連れて行く為の強引な手段だったらしい。

人の心はわからない、だが奴は意外に優しい奴なんだな、なんて思い直してみた。

まぁ、ただそれだけだ。





短文2!
続くとか言ってこれで終わっちゃったよ!
題名思い浮かばない!誰かアイデアを下さい!

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