土斎+沖 シリアス 歪んだ沖田視点。




―いつから、僕は壊れてしまったんだろうか。。


歪んだ感情。


土方さんと一君が好き同士だって事は前から知っていた。
一君からずっと相談を受けてたし、ね。


―いつからだろうか。僕が君に歪んだ感情を抱くようになったのは。


「一君。よかったね。両思いになれて。」



―本当はそんなこと思ってない。


精一杯の笑顔で言った。
ちゃんと、笑えてるだろうか。
「あぁ、ありがとう。これも全部お前のお陰だ。感謝している。ありがとう。」


―チクッ


胸に小さな痛みが走った。
その後、毒のように全身にじわじわ伝わっていった。
まるで、僕を蝕むようで。そんな、お礼なんて言わないでよ。
まるで僕が悪者みたいじゃないか。
一君は僕の偽りの笑みに気づかないで、遥か遠い僕の後ろの土方さんを見ていた。



―本当は僕だけを見てほしいのに。


まただ。歪んだ独占欲が僕を犯していく。



―見えなくなればいい。


僕を見ない目なんてなくなってしまえばいい。
土方さんなんて見えなければいい。
僕を映さないならその深碧の目なんて消えてしまえばいい。
一君、僕が君のその目をなくしてあげようか。
何も見えないように。 僕を映さない君の目なんていらない。
「土方さん!お疲れさまです!」
と言って僕の後ろの人へと駆け寄っていった。
「あぁ、ありがとう。」
その嬉しそうに弾んだ声にもどす黒い感情が僕を取り巻いた。



―僕が、君のもの全部壊してあげるよ。


僕に向けられないものなら全てが屑、そんなもの価値がない。
君が僕にくれるものってなぁに?
僕はこんなにも君を愛してるのに。
何故君は僕を愛してくれないの?
くれないのなら 僕に君の永遠をちょうだい。
君の全てを僕にちょうだい。
「何、変な目で見てやがる。」
僕の貪欲な視線は土方さんには気づかれたらしかった。
「いやぁ〜、微笑ましい光景だなと思って。」
こんなのは嘘。
本当は微塵もそんなこと思ってない。
「嘘を吐け。そんなこと思ってないくせに。」
苦笑混じりに言われたからたぶん、僕の真意には気づいていないんだと思う。
一君はあの人を見ながらにこにこしていた。
あの人と手を繋ぐその手も切り落としてあげようか?
いつかは、いやもう交わしてしまったかもしれない唇も僕がこそげ落としてあげるよ。
ふふふふふと口角をあげてにんまり、笑う。
この抑えられない衝動が いつまでもつだろうか。
今はまだわからないが、 この衝動が僕を凌駕した時、僕は僕ではない。
一君も変わり果てた姿で 皆の目に曝されるだろう。
僕はただただ、一君をどう壊そうかという泥の様な妄想を頭に浮かべては 掻き回し、浮かべては、掻き回していた。
最初はただ愛していたんだ。本当にただ好きなだけだったんだ。
いつから、僕は壊れてしまったんだろうか。
君の乱れる姿が見たい。
君をこの手で壊したい。
そんな甘くも苦い妄想にどっぷり浸かりながら下へ下へ堕ちてゆく。



―今夜は愉しくなりそうだ。




愛ゆえに。狂愛総司×リア充一。
総司は、リア充が憎いのです。
一君はその夜自室の布団を紅く染めていたそうです。
総司が何をしたのかは皆さんのご想像にお任せします。

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