現パロ 土斎+沖 カラオケ




―土方先生よかったら週末二人でカラオケに行きませんか…?


休日のお誘い。


「一君〜、何入れる?」



と言って俺が持っていた、入力機器を総司が奪い取る。

「総司、今度こそ、てめ、俺の番だろ!」とそう言ってまた入力機器を奪い返した。



―なんでこんな面子でカラオケにいるんだ。



全ては、一が週末カラオケに誘ってきた事から始まった。



「土方先生! もし、宜しかったら 週末2人でカラオケに行きませんか?」



俺は、2人でという言葉に気をよくし、しかも一からの初めての誘いだったので快くを受けた。

ということで、カラオケに入ってから既に1時間30分が経っている。

マイクの所有権は常に一にある。

そして隣にはなぜか総司。

俺の家の玄関に朝から張り込んでいたらしい。

1時間30分経っても最初と変わらないテンションの一。

というかむしろ、テンションは高まってるようで…。

一がこんなにノリノリになるなんて知らなかった。

というか、これは本当に一なのだろうか。

さっきからマイクを離さないし、ソファーの上で跳ねたり、マラカスをしきりに振ったり…。

どれも、 いつもの冷静沈着な一からは考えられない行動であった。



「なぁ、総司。 あいつってあんなに落ち着きなかったか。」



というと総司は口角を上げた。



「あっ、土方先生は知りませんよね?

だって一君とカラオケいったこと無いんでしょ?」



にやにやにやにやしながら聞いてくる。



「あぁ、そうだよ。」



とややぶっきらぼうに答えた。



「あはは。 冗談ですよ、冗談。 やっぱり土方さんはおもしろいや。」



「はぁ…?何言ってやがんだ。」



総司はまた笑った。



「あはは。 いいですよ、教えてあげますよ。

一君って、カラオケ来るといつもああなんですよね。

なんてゆーか、土方さんでいうお酒を飲んで気が大きくなるみたいな…。

あっ、でも土方さんは常に気が大きいですけど…。」



「気が大きいって何だこら、総司!」



なぜか俺の言った言葉は丸々スルーされた。



「そうなんです。 一君はカラオケに来ると別の人格が出てしまうみたいで…。」



その話をしている間に一の曲は終わってしまったらしく、総司が小さくヤバッと言ったのが聞こえた。



「何かヤバいことでもあるのか…?」



気づくと一は総司の上に跨がって総司のネクタイを掴んで引っ張っていた。



「…総司君。」



絶対語尾にハートがついてると思う。



「何で次の曲入れてくれなかったの? 次の曲頼んどいたでしょ…?」



一の口調が変わった。

雰囲気もいつもとは似ても似つかない。

だんだん狂喜の表情に歪んでいった。



「…ごめんなさい。一君。」

総司が素直に謝る。

こんな素直な総司は初めてだ。



「総司君…? どこからがいいかな…?」



と言って何故か鋏を持ち出し、総司の首に刃を宛がう。

つつと一筋の鮮血が流れた。



「…っ!」



総司が痛みに顔を歪める。



「痛いのは当たり前だよね…?次はもっと痛くてあげる。」



何かにとり憑かれたように一は淡々と話を紡ぐ。

これは一なのだろうか。



「今度は何処にしようかな。ね、総司君。」



「ごめんなさい、一君! ごめんなさい!!」



泣き叫ぶ総司。

刃を向ける一。

そして傍観者の俺。

一体何が起きたと言うんだろうか。



―トゥルトゥルトゥルトゥル。



音がない部屋に 無機質な電子音が流れた。 

一は凄く嫌そうな顔をしながら乱暴に受話器を取った。



「―はい。」



「―お時間終了10分前です。延長しますか?」



「します…、「しません!!」」



俺と総司は声を揃え一の持っていた受話器を 思い切り元いた場所へ戻した。

結局、俺と総司の説得の末延長はしないで部屋を出た。

しかし、一の手には未だ ギラギラと輝く鋏が握られていた。

部屋を出てからと言うものいつもの一らしくなく ぶつぶつと文句をたれていた。



「僕、一君の事好きだけどカラオケには絶対一緒に行かない!」



とガタガタ震えながらいっていた。

「もとはと言えばお前が勝手についてきたんだろ!」



なんて言いながら 正直、一と2人だったら どんなことをされたか わかったもんじゃない。

そう思いながら 心の中では総司にそっと感謝をした。

「また、一緒に行きましょうね!」



と楽しそうに言う一にもう行かねぇなんて言葉は言うわけにもいかず…。

結局、あぁとだけ答えておいた。

今度行くときは絶対に 誰かをつれていこうそう誓ったのだった。









ずっと前に考えた駄文。
ごめんちょ。

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