シリアス 土斎 斎藤視点




―俺の知るただ一つの光。


Flower...


どんな事があっても己の道を曲げない。

そこにあんたが目指す真実が、理想があるから。

真実はいつも一つだと皆言うが、その道にたどり着くには幾重にも道が存在する。

自分の歩む道に言い訳をせず、ただ自分を信じて勇む歩み。

俺を導いてくれる一筋の光。

あんたについて行きたいとあんたについて行けば、

俺の望むものもそこにあると思ったから。

だから、貴方の背中を追いかけ走った。

近づいて手を伸ばしても 決して届かないあんたの存在。

一番近くて一番遠いあんたとの距離。

いつからか、あんたが俺の光として道を照らしてくれていたのは。

「ふ、ふくちょ、副長…。死なないで…死なないでくだ、さい…。」

だんだんと冷たくなる副長の手。

紫紺のガラス玉の様に澄んだ目はだんだん夜の闇を映して出していった。

「副長、副長…! 俺は貴方がいなかったら…

この先誰についていけばいいのですか!

副長…副長!

俺を一人にしないでください!

また、目を開けて!

俺を見て!」

副長の頬にそっと触れるとそれは熱を持たない肉の塊。

涙が溢れとまらない。



―好きだったんだ。



きっと、俺はあの人のことが好きだったんだ。

「今更、気づいても遅いじゃないか!」

冷たく冷えた肉の塊の隣で己の拳を地面に打ちつけた。

ただただ、響き渡る地面の叫び。

愛しい人を失った者の悲嘆な叫び。

二つは溶け合い一つになった。

今この時を経て。

今まで気づかなかった想いを今貴方に伝えたい。

貴方に告げる最後の言葉。

「ずっ、とず、っと… …愛して、ま…す。」

言葉と共に舞い降りた白。

俺達を優しく包んで連れていって。





降り積もる雪―。
みたいな感じで繋がってほしかったけど途中で断念。(笑)
題名はIwishのFlowerから。
Flowerの歌詞結構借りました。ごめんなしゃい。(笑)

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