沖斎 ヤンデレ シリアス
―こんなはずじゃなかったのに、
僕の視線の先にはいつも君がいて。
今日だって、それはいつもと同じこと、だったのに。
しかし僕を見つめる君の顔は
涙に濡れてぐしゃぐしゃで。
どうしたの、と声を掛けようとも
僕の声は空気に溶けた。
「総司…総司…。」
一君の熱を感じた。
手を握ってくれているんだね。
―温かい君の温もり。
起き上がろうとしても
体が動かない。
ふと
右手には紅く染まった布が無造作に巻かれていた。
―何で…?
「ごめんなさい…
ごめんなさい、総司…。」
そういう一君も゛紅゛に染まっていた。
―お揃いだね、一君。
って笑顔と声を君に向けるけど笑顔も声も空気に溶けていった。
「ごめんなさい、ごめんなさい…。」
一君のぐしゃぐしゃになった顔にかろうじて左手が届いた。
―泣かないで…?
笑顔で言うと一君はまた泣いた。
彼から吐かれるのは懺悔の言葉。
だんだんと遠のいていく僕の意識。
「お前がいなきゃ
俺は生きていけない…。
お前がいなきゃ…。」
―そんなのは僕だって同じ。
「お前が誰かに取られる位なら
俺がこの手で永遠に俺のものにしようと…。
好きなんだ。
誰よりも何よりも…。
愛しているんだ、だから…。」
どんどんと視界はぼやけていった。
失われていく意識の中で
君に殺された、というなら
僕は
最高に幸せ者だなと思った。
一君がヤンデるパターン。鬱ソングを聞いてたら思いついたんです。
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