SSL 沖斎 片想い総司×真面目っ子一君




―僕が見つめる先にいつもいるのは君。


両想い、片想い。


青い海のように透き通った瞳。

まるでガラス玉のようにキラキラと輝きを放つその瞳に何度見つめられたいと願った事か。



―ねぇ、もしも僕達が同じ気持ちだったら…?



僕は薄桜学園二年、沖田総司。

只今、ある人に片思い中です。

お相手は 同じく薄桜学園二年、風紀委員次期委員長、斎藤一君。

いつからか、僕は彼に惹かれていた。

だから、僕は君を困らせた。

他にも方法はあったけど、お人好しの君だから。絶対構ってくれると思ったら。



「一君。僕は今日も教科書を忘れてしまいました。 だから、見せてください。」



と言って隣の席の一君の机に僕の机をどすんとくっつけた。

僕がそうすると一君は 眉間に皺を寄せながらぴったりとつけられた机を元の距離に戻した。



「何故、忘れた。 これで何回目だと思っている。」



と睨んでくるので 僕はそれをはね返すような笑顔で答えた。



「僕は一君の教科書が見たいの! ていうか、一君と一緒に教科書を見たいの! 一君がもし僕のを見たいなら、 僕の教科書を一緒に見ない?」



バシーン!



心地よい音が響いた。



「馬鹿な事言ってんじゃねぇ。総司。 さっと自分の教科書だせ。」



と言ってもう一度小さく パシンと教科書で叩いた。

また土方先生に叩かれたもんだと思ってたから、むっとしていたら叩いたのは 一君だった。

小声で



「持っているのに、何故あのような嘘を吐いた。」



とちょっと怒気を感じさせるような声で言うから僕は



「だって、そうじゃなきゃ一君一緒に見せてくれないでしょ?」



さすがの一君もそれには黙って



「当たり前だ。 あるのに見せる理由などないだろう。」



―はい。ごもっとも。



でもさ、それは正論だと思うよ、でも、一君だって いい加減気付いてくれたっていいんじゃないの?

僕は君の事が大好きなんだよ。

僕にとっては君が一番なんだよ…?

鈍感な一君に気付いてほしくて 僕は直接的な言葉を口にする。



「一君、帰り僕とデートしようよ。」



一君は初めて聞いた言葉のように、目をまんまるくさせた。

しかし、すぐ正気に戻ったみたいで。



「何故、あんたとデートをしなければならないのだ。」



あからさまな拒絶。

そして、僕に向けられた軽蔑の目。

正直、こたえる。

でも、僕だって負けない。



「何?簡単な事だよ、一君。 僕は君の事が好き、だから君をデートに誘う。 普通の事じゃない?」



さも、こっちが正論のように淡々と言葉を述べた。



「普通なの、か…?」



一君はやや考えたような仕草をしてから



「俺もお前の事嫌いではないが…。」



―やった―!まさかの、両想い!!



「…好きではない。」



きっぱりと蒼い目の主に言われた。

つまり、普通…? てか、むしろ嫌い?



「一君。 それは遠回しにデートを断った感じ?」



「だから、言っただろう。お前の事は嫌いではない。」



「じゃあ、OKって事?」



「何度も言わせるな。」



少し紅くなった顔を横に向ける一君。

僕は時々見せる君の可愛さにひかれるのかもしれない。

それからの授業は 全く耳になんか入らなくて―だって君の事ばかり考えていたから。

いつも寝ている授業も 一君とデートができるって思うと興奮して寝られなかった。

授業の途中で よほど僕がぼぉっとしてたのか、

授業中 発言以外は決して言葉を発しない一君が僕の耳許に口をよせ

「大丈夫か?」と 君の透き通るような 繊細な声に思わず またときめいてしまった。

放課後が来た。

もう一度言おう、放課後が来た。

僕はHRが終わったと 同時に一君の手をとり、 校門まで一気に突っ切った。

担任の土方先生の声が 遠く聞こえた。

たぶん、掃除当番の事だと思う。

僕は同じ 掃除当番の女の子に掃除を押し付けてきた。



―だからか、な。



そんな事は 今の僕にとって どうでもいいことで。

今は君が、 君が僕の隣にいることで 手と手を繋いでる事で このなんでもない世界は 一気に色づいて。



「沖田…、いい加減手を離せ。蒸れる。」



照れ隠しの言葉だってわかってる。

「いやだよ、一君。 僕は君の事が大好きだから。

例え、今君が僕の事好きじゃなくてもいつかきっと僕を好きにさせてあげるから。ね?」

橙と紅のグラデーション。君にキスをした。

柔らかい桃色の唇に 僕の唇を押し付けて。

いつか、絶対振り向かせてみせる。

だから、これは僕の誓いだよ…?

そういってまた君にキスをした。







両思いにな〜れ☆(笑)

好きです、沖斎。

中途半端でごめんなさい

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