現パロ 沖斎 常連総司×店員一君




―チョコミント色の瞳に恋したあの日から。


君の瞳に恋してる。


最近の僕の楽しみは僕のうちの近くに新しくできたアイスクリーム屋さんに通うこと。

チョコレート色の壁にカラースプレーののったでっかいアイスクリームの看板。

外見も可愛いし、ついこの間までは無料券なんかも配られていたから

女の子だけじゃなくて男の子にも人気があったりする。

僕がこの店に通う理由はもちろん

ここのアイスクリームが美味しいっていうのもあるけど、大好きな人がいるから。



―あっ、今日もいる。



チョコミント色の瞳に恋したあの日から。

紫紺の髪から遠慮がちに覗くチョコミント色の目。

そして、バニラアイスみたいに冷たそうな極め細かい肌。

彼はここの店のアルバイト店員

斎藤 一君。

一見、接客業には向かない彼だけど、この店では売れっ子店員。

何が売れるかっていったら、そりゃもう顔、仕草。

もうかわいいのなんのって。

一君は普通の女の子なんか比べ物にならない程綺麗だし、可愛い。

僕は、この店が繁盛している理由は多分一君にあると思うのです。

女の子達も一君に会うために通ってる子が大半。

しかもファンクラブなんかもできてるみたいだし。

そして、僕もその一人。

一君のファンなのです。



―一度でいうから話してみたいな…。



あのチョコミントの瞳に 僕だけを写し出してほしい。



―閉店までいてみようかな。



と思って外で突っ立っているといきなり後から強く押された。

「痛っ…。」

と頭を押さえていると上から声がした。

「すまない。大丈夫か?

ドアの外には誰もいないだろうと思って…、つい思い切りドアを開けてしまった…。

本当にすまない。」

と言われて後を向くと「STAFF ONLY」の文字。

僕、ドアの前に立ってたんだ…。

こちらこそ、すいませんと言おうと上を向くとそこには待ち焦がれた人が。

「一君!」思わず叫んでしまった。

「何故、俺の名を…。」

「すっごく会いたかったんだよ!

僕の事わかる?ねぇ?わかる?」

しばらくした後ぽつりと呟いた。

「常連…。もしくはファンクラブの類か…?」

不確かな事を口にしたような表情をする。



―う―ん。どっちも当たってるけど残念ながら僕が聞きたいのはそういうことじゃないんだ。



「僕の名前わかる?」

またうーんと考えた後、ゆっくりと呟く。

「あんたの名に心当たりがないのだが…。というかあんたは何者だ。

何故、俺の名を知っている。」

と人を明らかに怪しいものを見る目で問う。



―そういえば、まだ僕の名前を告げてなかったっけ。



怪しいものに向けられる視線をものともそず喋りだした。

「ごめんね。言うの忘れてたよ。僕は、沖田総司。ちなみに高2です。

僕、あまいものが好きでね。

この店のアイスを食べようって思って来たら、君がいてさ。

一目惚れしちゃったんだ、僕。」

一君は頭にはてなを沢山浮かべていた。

「誰に一目惚れしたのだ?」

はぁと溜め息を吐く。

僕、今フラレたの?ねぇ、僕、今フラレたの?

「一君って鈍感ってよくいわれない?」

というとさらに睨みをきつくさせた。

「初対面の、しかも俺の知らない輩に言われる必要はない。」

なんて冷たい言葉が返ってきた。

「一君。僕は君に一目惚れしたんだよ。僕は君が好きだ。」

と告げると一君は一気に紅くなった。

こういう事に免疫がないのかな…?

僕はこういうの慣れてんだけど。

「何を言ってるんだ、あんたは!俺は男に好かれて喜ぶような趣味は毛頭ない!」

伏せ目がちに此方を見る。しかし、はっと思い出したように

「ヤバい!俺としたことが!早く戻らなければ!」

「待って、一君!」

と言って勢いよく「STAFF ONLY」のドアへと戻っていった。

―フラれた…?自分で言うのも何だか僕の恋は百戦錬磨。

フッた事はあってもフラれた事は一度たりともなかったのに…。

人生初の失恋。

こんなにも胸が痛いだなんて知らなかった。

嫌われたかな…?

当たり前だよね。

見ず知らずの…しかも男にいきなり好きなんて言われて…、

嫌われるのなんて当たり前だよね。

しかし、心の片隅で

もう一度彼に会いたいと思ってしまう貪欲な自分がいた。

しかし、気まずいだろうな、互いに。

でも、抑える事の出来ないこの胸の高揚感。

幾らか緊張しながら店内に入った。

すると さっきの行列は嘘かのように

店内には僕の他に誰もいないようだった。



―一君いないのかな…?



「すいません!アイス頼みたいんですけど!」と

奥の店員の休憩所に聞こえるように叫んだ。

大声で言うと奥から誰かが出てきた。

「はい。少々お待ちを…、…って、あんたさっきの変態男。」

と言うとすっごく嫌な顔をして此方を見た。



―変態、男…?僕の事?



「一君。

僕は変態男でもいいんです。

変態が仕事なんです。

僕はさっき君にコクりました。

そして、フラれました。

だから、この度は再挑戦つまりリベンジに来ました。」

僕からの精一杯の宣誓布告。

どうだ、一君。

「ちょっ、ちょっと待て。俺は別にフッてなどないぞ。」

「え?嘘?本当?!」

何でだって好きじゃないって言ったじゃん!

何で!何で!

「俺は…、ただ…、 男に好かれるような趣味はないと言っただけだ。

俺はお前の事は嫌いではない。」

あれ、フラグたってる。

え、一君。

「俺を振り向かせたいなら、せいぜい頑張れよ。」

と優しく置かれた手。

挑むような視線に僕も自然と熱くなる。

さぁ、僕達の甘い日々を廻るゲームが幕を開けた。







あははははは。

載せなきゃよかったよ。

これでもはしょったんですよ。

本当はこれの何倍か長かったけど、気にしない―。

時間があればそちらもうPする

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