平斎 月夜の平ちゃんと一君のお話。




―いつから皆が変わり始めたんだろう。

揺れ動く心動。


「なぁ、新八っつぁん。
」おぅとか言いながら 酔ってるせいか柱に向かって話し掛ける。
「何だよ〜、平助。顔がやけに茶色なぁ〜、って柱か!」
あははははと天にも届きそうな声で笑う。
内心溜め息をつきつつ、この人に聞いてしまった事を後悔した。
とりあえず、新八の隣で酒を呑んでいる話を聞いてくれそうな人に話し掛けた。
「なぁ、左之さん。」
「お、何だよ平助。お前何で3人もいるんだよ。」
「何だよ、目ェ悪ぃな左之〜平助が4人いるぞ!こりゃたまげた。」
―こっちもハズレか。
こっちもこっちでダメみたいだった。
左之さんがここまで酔うなんてなかなかないのに。
―まぁ今日は仕方ないのかもしれない。
あの土方さんがまさか自分から島原に行くなんて言うからみんな浮き足たってるのかもしれない。
多分今日のことは土方さんなりの気遣いなんだろうなと思った。
あの人の口に出さない優しさ、、、。
―土方さんらしいや。
とりあえずここにいても 誰も自分の話を聞いてくれそうにないので外に出ることにした。
「平助君〜何処にいくのかね君は〜。」
「平助〜酒もっと持ってこ〜い!」
―色んな事言いやがってこの酔っぱらいめ。
「ちょっと厠だよ!別にいいだろ、厠ぐらい!」
ピシャンと閉められた障子を中にいた2人は呆然と眺めていた。
「何だよ、あいつ〜可愛くねぇな。」
「あはははは。それより呑もうぜ左之!」
中で2人が何か言っていたが聞こえないふりをして一人廊下を歩いた。
はぁ、、、。
しかし、誰に聞いてもらおうなど考えずに出てきたので結局一人行場を無くし、ただ佇んでいた。
屯所の廊下を眩いばかりの月が照らしていた。
―満月か。
ふいに誰かの足音が聞こえ、反射的に縁側の下に隠れてしまった。
本当ならここは島原なのだから隠れなくていいはずなんだけど―
何故か俺は隠れてしまっていた。
その人物は廊下からおり 庭の石の方へ向かって歩き始めた。
―誰だろう。
好奇心からその人物が誰だか知りたくなった。
その人物は庭の石の上に登り月を見上げていた。
月明かりが差しその人物が誰か教えてくれた。
―一君だ。
月を見上げながら、髪をとかす一君はまるで女神のようだった。
―やっぱ、綺麗だな一君。
前、土方さんが言ってたけど一君は、
新選組一、 男らしくその反面女性的で、、、変な輩に絡まられやすいらしい。
そんなことを踏まえて 俺は一君の護衛役を土方さんから任されていた。
理由は、 「おまえならあいつに変な気をもたねぇだろ。」
つまり、俺が一番に安全だかららしい。
他の皆はというか ―総司は、ぶーぶー文句を垂れていた。
実は一君は俺が思ってたより遥かに人気があるらしい。
隊士達はもちろん、 幹部、あの土方さんまで 好意をよせられているらしい。
そんな、一君はと言うと ずっと土方さん一筋だったらしくついこの間土方さんと恋仲になったらしい。
―一君って純情だよな。
総司や左之さん、新八っつぁん。
言い寄ってくる奴は沢山いるのに 心揺れる事もなく ただ土方さんを愛し続けた。
―一君らしいや。
現実に戻り再び 一君に釘付けになる。
いつも自分の一部のように首にかけている白い襟巻きをとっていて
いつもは見ることのできない細く、白い首筋が露わになっていた。
そんな一君に見惚れていると、一君がこっちに気づいたらしく、
「平助、何か用か。」
「あ、あぁ!は、一君! よう!俺は今そこの部屋から出てきただけだからな!厠に行こうと思ってさ、ずっとここになんかいなかったからな!今来ただけだからね!」
何で俺はこんな事を言ってしまったんだろう。
俺がおどおどしていると 一君はふっと笑い
「今自室から出てきた者がそんなところにいるはずがないだろう。」
確かに。俺がいる場所は 縁側の下。
―あはははは。バレてた。
「は、一君こそどうしたの?」
それを聞いた途端、一君の表情が凍り付いた。

平斎第二段!どうだったでしょうか。
一君が月夜に照らされてる感じが書きたかったんです!←
てか、平斎って萌える!!(笑)
続きます。

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